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【投稿者】 伊豆ヒロカズさん
【題名】 Culd 2
【コメント】 感想ありがとうございます。
僕自身も続きが気になったので書いてみました。
まだまだ拙いですが、続けていこうと思います。
【内容紹介】 突然セプター能力に目覚めた高校生、
「井上悟」少年。ナゾの男に誘われるまま
「テレポート」のカードを使った彼の跳んだ先は……
(2)
雑踏。そこは大きな道が交差する場所、と言えば先ほどと
変わりはしない。
しかし風景は大きく違っていた。車はまったく通っておらず、
代わりに人、人、人。まるで中世ヨーロッパのような…って言っても、
中世ヨーロッパの風景なんてぜんぜん知らないけれども。
しかし例え中世ヨーロッパを知らなくても、これは断言できる。
地球じゃねえ。なんだ、あのトカゲのような人間は!? あっちは
蟻みたいな奴!!
翼が生えてるのなんていうのもいて、それが平然と歩いてるし、
誰も気にも留めない。そもそも僕は突然にこの場所に現れたのに、
誰も彼もスルーしてる。
「おい、おまえ!」
スルーしない奴1号。
「おまえ、セプターだろ?」
「は? せぷたー?」
身に覚えのない言葉だ。だいたい、僕は日本語が通じるなんて
夢にも思っていなかった。
「ここにテレポートしてきたじゃないか! 持ってるだろ、
カード!」
カードと言われれば。
「これ?」
差し出す小さな本に、ニッカリ笑う目の前の…僕と年のころが
同じような男。
「どうする? レース? フリー?」
なんか話を進めちゃってるみたいだが。
「い…いや。初めてなんだよ、僕。」
「初めてぇ!?」
まあ、いろいろと初めてなわけだが。
「しょうがねえなぁ。じゃあ…『チュートリアル』」
男が唱えると、力場…としか言いようのない不思議なものが
離れて2箇所できた。
「初めてってことは、“レース”がいいだろ。“フリー”は魔力の
大小が勝負を決めちまうからな」
どうやら気を使ってくれてるらしい。男は続けた。
「この大きいほうの力場が『城』、小さいほうの力場を『砦』って
いうんだけど・・・俺らは『城』をスタートし、すべての『砦』を
回って、『城』に帰って来る。そうすると魔力がもらえる。」
えっと…
「その魔力で以って」
男が『城』と『砦』の間の空き地でカードをかざすと、奇妙な
モンスターが現れた。
「クリーチャーを呼び出す。『城』と『砦』を周回する間に、
こいつに捕まると魔力を搾り取られる」
だから…
「そうやって魔力を高めていき、一定の大きさまで高めて『城』
まで辿り着いた方の勝ちだ!」
その…
「僕たちが戦うってこと?」
きょとん、とした目で見られた。そしてフルフルと頭を横に
振った。
「それがセプターの宿命ってやつよ。」
何がなんだか解からないが、セプターの宿命ってやつに僕は
巻き込まれたらしい。
そして、そんなやり取りをしているとワイワイと人(と人じゃない
モノ)が集まってきている。それも大勢。
「さあ、戦おうぜ! 俺はシェルフ、お前の名前は!?」
「え…悟」
うおおおおう、と地面の底から湧き上がるような歓声!
「セプター、シェルフ対サトルのバトルだあ!!」
なんか、とんでもないことになってきてる気がする。
―― 続く ――